このように「企画書」は、1次的には本というモノの「商品的な土台」を確立するために使用される。
編集者は、事前に本の「完成イメージ」を作成し、制作に携わる人との間でイメージの共有を行う必要がある。それは、「何も作らない」編集者が「本を作る」人の間に立ち、進むべき方向と形を明確にするための事前準備と言ってよいと思う。そしてこの「完成イメージ」の共有に使用するもっとも重要なツールが、「企画書」である。
編集者は企画書を作成し、それをもとに、すべての制作者との間でイメージを共有する。企画書の内容に不備や理解しづらい箇所があれば、それは共有に支障をきたすし、誰か、もしくは全員が、異なる方向を向いて歩きだすということにもなりかねない。企画書は交通整理の基準であり、すべての参加者が持つべきルールブックである。
本の「企画書」の場合、例えば次のような要素が必要になる。
- 書名
- 体裁(判型/ページ数/本文色)
- 発行時期
- 予定部数
- 予定価格
- 対象読者
- 概要
- 目次
- 採算見積もり