それは、過去に経験した多くの事例から算出される、予言的な先読みの能力と言える。
「忘れてみること」「知らないふりをしてみること」。人は、経験を積めば積むほど、次に何が起こるのか、次に何をすればよいのかがわかってくる。先を見通す能力は、仕事や生活を営む上で大きなメリットになる。問題が発生する前に手を打ち、最善の策を取る。それは、過去に経験した多くの事例から算出される、予言的な先読みの能力と言える。
こうした能力には大きなメリットがあるが、デメリットもある。例えば、「可能性が制限される」。常に過去を参照し、そこから未来を予測する。予測した未来から逆算して、現在行うべきことを考える。その結果、人は過去と未来から想定される範囲内でしか、行動することができなくなる。そして、想定外の出来事が起こる可能性を、未然に潰してしまう。
また、「未知の現実に対処できなくなる」。過去の経験に固執し、自分の経験に頼って現在の問題に対処しようとする人は、未知の状況に直面すると、参照可能な過去を見つけることができない。そのため、過去から未来を予測して現在行うべきことを逆算することができず、結果、何をすればよいのかわからなくなってしまう。
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